2018年5月22日

WRI、セリーズなど世界の気候変動ファイナンスやサステナビリティ関連団体で構成される水コンソーシアム(Water Consortium)は、気候債券基準(Climate Bonds Standard)の一環である「水インフラストラクチャー基準(仮訳)(Water Infrastructure Criteria)」の最新版を正式に発表した。気候債券認証を受けたグリーンボンドへの投資を通じ、初めて湿地や水源、森林などの自然の水インフラの保護・管理・復元ができるようになったことを意味する。

同基準は気候債券認証の対象となる水資産やプロジェクトの審査に適用され、水インフラプロジェクトを気候変動の緩和と、気候変動への適応・レジリエンスという2つの分類で定義・評価する。認証を受けるには、資産の耐用年数内に温室効果ガス削減に貢献し、変動する気候条件に十分適応できることを証明しなければならない。

同基準は2段階のフェーズで策定され、2016年に発表された第1フェーズでは、伝統的建造、またはコンクリート建造の水インフラが対象とされた。第1フェーズ発表以来、同基準に基づいて、北米および南アフリカで計15億ドルの認証グリーンボンドが発行されている。

今回発表された第2フェーズは、湿地帯や分水界、森林など、自然の水インフラやハイブリッドインフラに適用されることが特徴。近年、自然に基づく取水、貯水、浄水処理、配水、洪水対策、干ばつ対策のソリューションを、グリーンインフラ・ハイブリッドインフラとして正式に水管理システムに統合する動きが高まっている。河川、湖水、分水界、帯水層、地下水などの生態系も元来水インフラであり、気候レジリエンス目標の達成に不可欠であることが、認知されたことになる。