2017年12月 5日

調査・コンサルタント会社のグローブスキャンは、企業の業務・広報やCSRなどの企業の専門家への調査結果をまとめた報告書「社会格差は企業にとって新しいリスク(仮訳)(Social Polarisation: a new risk to integrate for business)」を発表した。

調査報告書によると企業の専門家の7割近くが「社会格差はビジネスにとって大きなリスクである」と回答。格差社会に特に関係が深いものとして、社会の不安定、経済的不平等の拡大と不況、信用の浸食の3つが挙げられている。社会格差はもはや些末な問題ではなく、企業戦略における主なリスク要因として扱うべきであるとしている。

社会格差のリスクを軽減するために必要な行動として、「社会からの期待に関する基本的な理解」という回答が最大(89%)であり、「企業目的においてよりプロアクティブに社会と関与すべき」(83%)がそれに続く。84%の回答者が「会社は企業目的を掲げている」とするが、43%が「企業目的は従業員に浸透していない」と回答しており、企業目的の価値を最大化することに課題がある。

持続可能な開発目標(SDGs)に関する企業の取り組みについては、76%が「企業戦略にSDGsが組み込まれている」とするが、「来年に、関連広報キャンペーンの実施を検討している」と回答したのは半数以下(46%)であった。また、SDGsの取り組みの成果について、6割近くが「評価する方法がないことが課題である」とし、8割以上が「取り組みの評価をしようとしている」一方、「厳密に評価されている」との回答は3割に過ぎなかった。

SDGsのビジネスの取り組みをはっきり示して行動に移すこと、そして企業目的とリンクさせる事が社会格差の問題への対処とリスク回避の先取りにつながる。そのためには、企業の貢献を評価し報告できるかどうかが重要なポイントとなるとグローブスキャンCEOは指摘している。