2022年6月 9日

日用品大手のP&Gは、世界の水ストレスが深刻な地域における水不足緩和に対応する、新たな戦略とコミットメントを発表した。P&Gの新たな水戦略は、生産時の水消費の削減、開発やパートナーシップを通じた水課題への取り組み、世界18の地域でのプロジェクト支援などを通じ、水ポジティブな未来の創造に貢献することを目指している。

P&Gは、製品を使用する際に消費される水のうち、排水溝や地域の水システムによって還元されない、漏水や蒸発する水に焦点をあて、既存の水戦略に次の2つの目標を追加した。

・世界の水ストレスが高い18地域にあるP&Gの製造拠点において、蒸発分などを含め、最終製品に組み込まれた水の消費量を上回る水の復元

・上記18地域において、P&G製品使用時に消費される水の半分以上を占めるロサンゼルスとメキシコシティの大都市圏で、P&G製品を使用する際に発生する漏水や蒸発によって消費された水の復元

これらの目標は、世界資源研究所(WRI)の水プログラムとの協力により、最新の科学と目標設定の慣行に沿って設定され、主要な環境団体とのパートナーシップや、水資源を改善、管理、保護する修復プロジェクトを通じて達成していくという。 

そのほかの水戦略としては、「子どもの安全な飲み水プログラム」を通じて、2025年までに250億リットルのきれいな飲み水を必要とする人々に提供することや、P&Gが設立メンバーとなっている、1人当たりの水使用量を1日50リットルに抑えるという目標をかかげた「50 Liter Home Coalition」の取り組みを通じて水関連のイノベーションを大規模に加速すること、製品の改良によって水フットプリントを減らすことなどを掲げている。

今回の新たな目標と取り組みは、P&Gの掲げる、気候、廃棄物、水、自然からなる科学をベースとした4つの柱の強化をもとに、人々の暮らし改善を基盤とする2030年目標「Ambition2030」の一環である。