2017年4月21日

国際標準化機構(ISO)の新規格ISO 20400「持続可能な調達に関する手引(仮訳)(Sustainable procurement - Guidance)」が、正式発行された。

企業が行う調達関連の意思決定は、エネルギー消費から、サプライヤーの従業員の生活の質まで、広範な影響を及ぼす。持続可能な調達とは、企業だけでなく社会や環境にも有益な調達活動のことである。サプライヤーが倫理的に行動しているか、購入する製品やサービスがサステナブルか、それを買うことが社会・経済・環境問題への対策に役立つかなどの判断を、購買の過程で行うことが求められる。

ISO 20400は、持続可能な調達に関する世界初の国際規格で、アカウンタビリティ、透明性、人権尊重、倫理行動といった持続可能な調達の原則を定義しており、調達ポリシーや戦略、プロセスにサステナビリティを組み込むためのガイドラインを提供する。企業は同規格を導入することで、サステナビリティ目標達成、サプライヤー管理向上、サプライチェーンの持続可能性の改善、競争力向上などの実現を期待できる。

同規格は、すでに施行されているISO 26000「社会的責任に関する手引」を補完し、企業や団体が調達を通じて持続可能な開発に寄与するための指針を示すものとして位置づけられている。