2022年3月24日

IFRS財団とグローバル・リポーティング・イニシアチブ(GRI)は、それぞれの基準審議会である国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)とグローバルサステナビリティ基準審議会(GSSB)が協力協定に関する覚書(MOU)に合意したことを発表した。今後、サステナビリティ報告策定に関連する審議会に相互に参加するという。

IFRS財団とGRIが協力することにより、国際的なサステナビリティ報告に2つの柱が提供される。第1にISSBが開発する投資家に焦点を当てたサステナビリティ開示基準、第2にGSSBが策定する第1の柱と互換性があるマルチステークホルダーのニーズを満たすGRIサステナビリティ報告要件である。

ISSB議長のエマニュエル・ファベール氏は、「ISSBとGSSBの基準を併せて使うことで、互換性のある完全な一連のサステナビリティ情報開示が実現する。今回の合意により、今後2つの基準策定組織が協力してこの目的を追求していく」と述べた。

また、GSSB議長のジュディ・クチェウスキ氏は、「GSSBとISSBの協力は、世界的に整合性のある情報開示要件への共通のコミットメントを示す。これは企業による一貫した報告を可能にし、説明責任を果たし、責任あるビジネス慣行を推進するために非常に重要である。両者の作業プログラムを調整し、財務報告とサステナビリティ報告が同等の立場で行われる企業報告システムの実現を楽しみにしている」と述べた。

IFRS財団は、2021年11月にISSBの設立を発表、投資家に焦点を当てたサステナビリティ情報開示の包括的なグローバル・ベースラインを開発していく。ISSBは、気候変動及び一般的なサステナビリティ関連開示の要求事項案の公表を予定している。

一方、GRIはマルチステークホルダーに焦点を当てたサステナビリティ報告の基準設定機関であり、
GRIスタンダードは世界中の企業で広く採用されている。本スタンダードは継続的に見直しが行われており、現在は新たなセクター基準の策定や生物多様性に関する基準の改定などが進められている。