世界メガバンクのひとつであるHSBCは、持続可能な金融の推進の一環として、2025年までに1千億ドルを提供することを表明した。これは、同銀行が気候変動対応や持続的な成長を支援する目的で新たに発表した5項目の公約のひとつで、この他に以下を公約している。

・2030年までに使用電力を100%再生可能エネルギー由来に切り替えることとし、中間目標として2025年までに90%を目指す。電力供給会社と長期契約を結ぶことにより、再生可能発電施設の新規開発を支援する。
・燃料用石炭に対するリスクを削減し、その他の高炭素分野についても積極的な移行への道筋をつける。具体的には、先進国での石炭火力発電所新規建設および全世界での一般炭鉱に対する資金提供の停止など。
・透明性向上のため、金融安定理事会気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォースの提言を採用する。今後2年間のグループ年次報告書で、気候関連リスクとチャンスに関するアプローチをさらに詳細に説明する。
・持続可能な金融と投資に関する議論を主導・形成していく。そのため、金融業界全体に適用する定義や基準の制定を推進する。

同銀行は長年グリーン金融や持続可能な金融に取り組んできており、最近ではグリーンボンドやソーシャルボンドの自主基準作成で主導的な役割を果たし、5億ユーロのグリーンボンドを発行している。また、環境パフォーマンス向上にも取り組んでおり、過去1年間で水使用量を9%、炭素排出量を9%、エネルギー消費を13%削減した。クリーンエネルギー生産事業者と契約し、使用電力の24%を再生可能エネルギー由来の電気にしている。