2021年7月22日

伊ナポリで開かれたG20環境相会合が7月22日に閉幕し、生物多様性、資源の効率的利用とサーキュラーエコノミー、サステナブルファイナンスの3つをグローバルな注力分野として共同声明(コミュニケ)を発表した。日本からは小泉環境大臣が出席している。

コミュニケでは、生物多様性では、自然に基づく解決策を活用した生態系の回復と自然資本の保護、土壌の防御と再生、海洋プラスチックゴミの削減と回避を含む水資源や海洋の保護に注力していくとした。

資源の効率的利用とサーキュラーエコノミーに関しては、持続可能な繊維とファッション、循環都市、教育、トレーニングに注力するとし、政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)の評価報告書の結果や今年6月に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書より、生物多様性と気候変動が関連していることが初めて認識されたことに触れている。

サステナブルファイナンスにおいては、G20が関与する世界の金融システムの将来像への貢献として、生態系の保全と再生のために必要な資金調達に特に注力していくとしている。

コミュニケでは海洋プラスチックごみへの取り組みの再認識ついて言及している。海洋ごみ、特に海洋プラスチックごみが、海洋生態系、沿岸域、漁業及び観光に与える深刻な影響を認識し、G20海洋ごみ行動計画、G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組、及び大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実施へのコミットメントを再確認するとした。また、日本がとりまとめた、G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組みに関する第3次報告書を歓迎し、G20以外の国及びその他ステークホルダーと協力しながら、グローバルレベルで取り組むというコミットメントを再確認するとしている。