2021年9月 6日

自動車大手のBMWは、サーキュラー・エコノミーの原則に基づいて設計されたコンセプト・カー「i Vision Circular」を発表した。2021年9月にミュンヘンで開催された国際モーターショー「IAA Mobility 2021」で、コンセプト・カーの一つとして公開された。

i Vision Circularのデザインにおいて掲げられた最大の目標は、クローズドでのマテリアル・サイクルとなるよう最適化され、100%の再生資源使用率/100%リサイクル可能な車を実現することである。製品ライフサイクルを終えた材料、つまり再生資源(セカンド・マテリアル)や、認証されたバイオベースの原材料を特に使用している。また、全固体電池は100%リサイクル可能で、ほぼ全ての材料はリサイクル・ループから調達されている。

i Vision Circularには、サステナビリティと、新しくて刺激的な美学とを融合させるための革新的なアイディアが詰め込まれている。同社では、こうしたアプローチを「サーキュラー・デザイン」として提唱しており、その4原則は以下の通りである。

1. RE:THINK(すべてにサーキュラリティを意識した車づくりを )
工程や製造技術を精査し、クローズド・マテリアル・サイクルを実現する。

2. RE:DUCE(より少ない資源でより多くのことを)
部品の数や素材の数などの削減、バイオベースの原材料の使用、デジタル化を推進する。

3. RE:USE(製品の価値を最大限に高める)
製品寿命を長くし、豊かで楽しい製品体験を提供する。デジタル技術を活用したサービス提案や装備のアップデート機能のほか、パーツ交換のしやすい設計などに配慮する。

4. RE:CYCLE(資源を可能な限り長くリサイクルし続ける)
製品ライフサイクル終了時に再利用されることを視野にいれたリサイクル材料を使用する「セカンダリー・ファースト」アプローチを採用。パーツを容易に着脱できるように、接着接合や複合材料の使用を避け、コード、スナップボタン、ファスナー等を使用する。