コストをかけずにグローバル人材を採用する方法

イースクエアでは、日本企業の海外ビジネス展開に関する様々な課題解決に向けた支援サービスをご提供していますが、新興国・途上国でビジネス展開をしたいものの、それを担う人材が不足しているという声をお聞きすることがよくあります。日本企業のグローバル化に伴い、海外の事情や市場に明るく、外国語でのコミュニケーションにも長けたグローバル人材へのニーズは高まる一方ですが、そうした人材を見つけるのは簡単ではありません。

人材紹介会社に人材のあっせんを依頼することもできますが、紹介手数料は採用者の年収の30～40％と決して小さな金額ではありません。そこで今回は、新興国・途上国でビジネス展開をしている日本企業がコストをかけずにグローバル人材を採用する方法や参考情報を2つご紹介します。

1. JICA海外協力隊の帰国隊員の採用

JICA海外協力隊事業（JICAボランティア事業）は日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構（JICA）が実施する海外ボランティア派遣事業です。アジアやアフリカなど開発途上国の政府から要請（ニーズ）を受けて、それに合致した技術・知識・経験を有する「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む人材を募集・選考し、国内の訓練所での訓練を経て派遣します。

その主な目的は、以下の3つです。

1. 開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
2. 異文化社会における相互理解の深化と共生
3. ボランティア経験の社会還元

なかでも、青年海外協力隊は事業発足から50年以上という長い歴史を持ち、これまでの参加者はのべ4万人を超えます。

派遣中の海外協力隊員とその累計
出所：JICAボランティア事業の概要

海外協力隊員は、途上国で2年間以上生活し、現地の人と交流しながら、様々な分野で活動します。活動内容は千差万別とはいえ、以下のような素養を身に付けて帰国する人材が多いと言われています。

語学力：英語、フランス語、スペイン語、スワヒリ語など、様々な言語を習得しています。
異文化理解力：日本とは異なる文化や習慣を理解しています。
コミュニケーション能力：現地の人々と円滑にコミュニケーションをとることができます。
リーダーシップ力：チームをまとめ、目標を達成することができます。
問題解決能力：困難な状況でも、冷静に判断し、問題を解決することができます。
柔軟性：変化に柔軟に対応することができます。
国際感覚：世界を視野に入れて、物事を考えることができます。 

これらの能力はグローバル人材には欠かせないものです。

各都道府県に青年海外協力隊の同窓会組織があり、JICA国内機関には帰国隊員の進路相談員が配置されているため、帰国隊員は人材に関する情報提供や人材紹介を受けることが可能です。また、JICAは定期的に帰国隊員と企業のマッチングイベントを行っていますので、まずはそういったイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

なお、イースクエアにも元青年海外協力隊員が数名在籍しており、新興国・途上国事業の立ち上げ支援などで活躍しています。

＜参考情報＞
JICAボランティア事業の概要
https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/index.html

JICA海外協力隊事業
https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/publication/results/jocv.html

2. PARTNERによる人材募集

PARTNERは、海外で活躍したい人材と、海外ビジネス展開に活用できる人材を求めている企業や団体をマッチングする「国際キャリア総合情報サイト」で、JICAが運営しています。求職者の登録及び求人掲載は無料で利用でき、海外事業に携わりたい求職者、海外事業担当者を採用したい企業などに活用されています。

求人を希望する企業は団体登録を行い、事務局の承認を経て、求人情報の掲載が可能になります。求人情報には、職務タイトルや勤務形態、勤務対象地域/勤務地、職務分野などを記入しますが、特に職務タイトルを求人対象者が興味を持ちやすい内容にすることで、多くの求職者から応募してもらえる可能性が高まります。また、職務内容をできるだけ具体的に記載することで、お互いのミスマッチを防ぐことができ、長く勤務してもらえることが期待できるでしょう。

＜参考情報＞
PARTNER 
https://partner.jica.go.jp/

今回は新興国・途上国でビジネス展開をしている日本企業があまりコストをかけずにグローバル人材を採用する方法や参考情報をご紹介しました。グローバル人材を必要としている企業様はぜひ参考にしてみてください。

また、新興国・途上国でのビジネス展開に必要な優秀なグローバル人材の採用や自社のグローバル人材の育成に関して、イースクエアがこれまで構築してきたアジアやアフリカの現地ネットワークと、現地での事業経験が豊富なコンサルタントによるご支援が可能です。お気軽にお問い合わせください。

イースクエアのアフリカ進出・展開支援

弊社は、2010年よりアフリカを始めとする開発途上国・新興国での日本企業のビジネス展開を市場調査、製品・技術開発（ローカライゼーション）、現地パートナーの発掘、テスト販売、ビジネスモデル構築・改善、公的機関などの補助金・助成金など申請など、お客様のニーズに合ったサポートをご提供します。アフリカでの多数のプロジェクト経験に加え、様々な民間企業でのビジネス経験を有する弊社コンサルタントのノウハウや現地ネットワークをフル活用し、企業様のアフリカでのビジネス展開をオーダーメイドでご支援します。

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