年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、株式・債券の運用を委託する機関が考える「重大なESG課題」の調査結果を発表した。調査は毎年実施しており、運用機関の問題意識や企業との対話の方向性を把握するものである。今回は、国内株式21機関、外国株式46機関、国内債券12機関、外国債券15機関を対象とした。運用機関数の合計94機関を100%として、各項目を「重大なESG課題」として挙げた機関数の比率を明らかにした。
今回の調査では、気候変動が引き続き最も多くの運用機関から重大なESG課題として挙げられ、国内株式パッシブ運用では100%、アクティブ運用では93%となった。コーポレートガバナンスと情報開示も、すべての資産クラスで半数以上の運用機関が重要課題として挙げた。国内株式パッシブ運用ではそれぞれ67%、100%、アクティブ運用では87%、60%だった。
国内株式では、企業価値を高めるうえで重要なガバナンスへの関心が特に高く、取締役会の構成・評価、資本効率、少数株主保護について、パッシブ運用でそれぞれ83%、100%、100%、アクティブ運用で80%、87%、67%となった。一方、外国株式では、報酬や経営者の後継者計画などを含むコーポレートガバナンスが重視され、パッシブ運用で100%、アクティブ運用で76%であった。
また、国内株式パッシブ運用では、気候変動に加え、生物多様性、人権と地域社会、サプライチェーン、ダイバーシティの項目で100%となり、幅広いテーマが重要課題として認識されていることが明らかとなっている。
GPIFは、2025年度からの第5期中期目標期間において、企業価値への影響を重視する「フィナンシャルマテリアリティ」の観点から、運用受託機関などが、企業による機会の追求やリスクの低減、情報開示を促すことを重視している。前回調査から「重大」と考える課題が大きく変化した運用機関については、スチュワードシップ評価の際に、その背景や考え方、課題への対話の取り組みを確認する予定である。
https://www.gpif.go.jp/esg-stw/20260812_esg_issues.pdf


