今後さらなる人口増加と経済成長・市場拡大が見込まれるインドで、優れた技術、製品やノウハウをお持ちの日系企業の皆様のビジネス展開をご支援します。
インドビジネスに関する基本情報
人口推移
国連によると、インドは2023年4月に中国を上回り、世界最大の人口を有する国となりました。世界銀行のデータでも、インドの人口は2024年時点で約14.5億人に達しており、今後も増加が見込まれます(図1)。また、15~64歳の生産年齢人口の割合は、今後も7割弱の水準を維持すると予測されており、豊富で若い労働力と拡大する消費市場を背景に、経済成長を下支えする「人口ボーナス期」が長期間継続すると期待されています。生産年齢人口割合の低下が見込まれる中国や日本とは対照的であり、インド市場の中長期的な成長ポテンシャルを示しています(図2)。

図1:中国とインドの人口推移と予測の比較(億人)(国連及び世界銀行のデータ等をもとにイースクエアが作成)

図2:中国、インド、日本の生産年齢人口割合の推移と予測の比較
(国連及び世界銀行のデータ等をもとにイースクエアが作成)
GDPと成長率
IMFによると、インド経済は新型コロナウイルス感染症による一時的な落ち込みから回復した後も、高い成長率を維持しています。2023年以降は内需の拡大、投資の継続、マクロ経済の安定を背景に主要国の中でも高い成長を続けており、2024/25年度の実質GDP成長率は6.5%、2025/26年度第1四半期には前年同期比7.8%の成長を記録しました。今後も外部環境の不確実性には留意が必要ですが、IMFはインドの成長が引き続き底堅く推移すると見ています(図3)。

図3:インドのGDP及び成長率の推移と予測(世界銀行及びIMFのデータ等をもとにイースクエアが作成)
開発課題とビジネスチャンス
世界銀行によると、インドは2023年4月に中国を上回り、2024年時点で約14.5億人に達し、世界最大の人口を有する国となりました。その経済規模は2026年に日本を上回り、米国、中国、ドイツに次ぐ世界4位に浮上する見通しとなっています。
しかし、道路や鉄道、電力、上下水道などのインフラ整備が追いついていないのが現状です。また、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて、特にビジネスにも関係する以下の分野での多くの開発課題を抱えています(図4)。
- 「SDG2:飢餓をゼロに」
- 「SDG3:すべての人に健康と福祉を」
- 「SDG5:ジェンダー平等を実現しよう」
- 「SDG6:安全な水とトイレを世界中に」
- 「SDG8:働きがいも経済成長も」
- 「SDG9:産業と技術革新の基盤をつくろう」
- 「SDG11:住み続けられるまちづくりを」
- 「SDGs14:海の豊かさを守ろう」
- 「SDGs15:陸の豊かさも守ろう」
- 「SDG16:平和と公正をすべての人に」
- 「SDG17:パートナーシップで目標を達成しよう」
また、経済産業省の報告書によると、毎年1千万人以上増加する生産年齢人口に対して、新規雇用創出という大きな課題に直面しています。インドのモディ首相は2014年の就任以来「Make in India」政策を展開し、製造業の振興を計ってきましたが、その対GDP比率25%の目標をまだ達成できていません(図5)。さらに、雇用の質の面では、多くの労働者を抱える農業、製造業、商業、輸送業において、安定した給与所得者である正規雇用者の割合がそれぞれ、1%、42%、26%、43%であり、臨時労働者のような福利厚生面で手厚い保護を受けられない雇用形態で雇われる場合が多いという課題があります。※1
一方、インドではこれらの顕在化している社会課題に対して、「社会課題の解決(社会的インパクト)」と「収益の確保(経済的リターン)」の実現を目指す社会的インパクト投資に注目が集まっており、その市場が拡大しています。インドにおける社会的インパクト投資の投資額は、2010年の3億米ドルから2019年には27億米ドルと、年平均成長率26%で増加しており、社会課題解決とビジネスの両立に注目が集まっています。
また、インドでは2014年に制定された通称CSR法(インド会社法の135条(CSR条項))において、企業に一定額のCSR支出が義務付けられることになりました。その支出の範囲としては、「飢餓、貧困、及び栄養失調の根絶」や「予防的健康管理及び公衆衛生環境の促進」、「男女平等の促進や女性の地位向上」、「環境の持続的可能性、生態系のバランス、動植物の保護、天然資源の保護」など、社会課題分野に限定されています。
これらの社会課題解決のニーズにあった製品・技術・サービスをインドで展開することは、大きなビジネスチャンスにつながる可能性があると考えられます。
※1:経済産業省、令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(日印産業競争力パートナーシップを活用した比較分析調査)最終報告書

図4:インドのSDGs達成状況(出典:SACHS, Jeffrey, et al. Sustainable Development Report 2022. Cambridge University Press, 2022. p.236)

図5:インドの産業セクター別GDP寄与率(2020-21)(MINISTRY OF STATISTICS AND PROGRAMME IMPLEMENTATIONのPress release on 31st May, 2021をもとにイースクエアが作成)
日系企業のインド進出状況
在インド日本国大使館、総領事館及びJETROの調査によると、2024年10月時点でインドに進出している日系企業数は1,434社となり、前年から35社増加しました。また、日系企業の拠点数は5,205拠点で、2023年の4,957拠点から248拠点増加しています。外務省の「海外進出日系企業拠点数調査(2024)」においても、インドの拠点数はアジア地域で中国、タイに次ぐ第3位となっており、製造業を中心に、インド市場を重視する日系企業の進出が引き続き進んでいます。
また、国際協力銀行によると、インドでは「Make in India」キャンペーンを始め、人材育成やICT 技術の振興など各種の全国的な政治的キャンペーンを打ち出しており、自動車、電機・電子、化学など日本企業の進出数の多い分野も重点分野に指定されているため、今後投資機会の拡大が期待されています。※2
※2:国際協力銀行、外務省・海外進出日系企業拠点数調査(2024)
インド進出のメリット・デメリット
インドに進出する際、日系企業にとって下記のようなメリット・デメリットがあると考えられます。しかし、必ずしもデメリットがビジネス展開に悪影響を与えるのではなく、逆にビジネスチャンスになる可能性もあると考えられます。
メリット
- 人口増加と堅調な経済成長を続けており、今後も市場規模がさらに拡大する可能性がある。
- 若い労働力、特にICTに長けた優秀な人材が豊富である。
- 内資・外資の区別なくインドで事業展開する企業に対して、特定分野(インフラ開発、電力開発・送電、再生可能エネルギー、研究開発など)に対する投資に優遇措置が設定されている。特に「研究開発への投資」について、ある一定の条件を満たした後、政府の認可を受ければ、10年間の法人税非課税措置(タックスホリデー)が適用され、研究にかかる経費の200%までの金額が法人税の申告控除の対象となる。
デメリット
- インド憲法により、カースト(ヴァルナ・ジャ―ティ)による差別は法的に禁止されているが、その文化自体はヒンドゥー教徒の生活全体を規制するものとして残っており、複雑で理解が難しいことがある。
- 道路や鉄道などの公共インフラ及び電力インフラが未整備な地域が多い。
- インド政府はCPTPPやRCEPのような多国間自由貿易協定や日本との二国間自由貿易協定を締結しておらず、基本的に輸入製品に対して輸入関税の減免を受けられない。
- 政府機関の許認可等の行政手続きに時間がかかることが多い。
- 価格には敏感で、特に初期投資額が低価格でないと受注につながりにくい。
イースクエアのインドビジネス展開支援サービスの特徴
イースクエアでは、インドに所在する現地パートナーと協働し、下図のように4つのステップに分けてインドにおける社会課題解決型の中小企業の海外展開を支援しています。インドでの多数のプロジェクト経験に加え、様々な民間企業でのビジネス経験を有する弊社コンサルタントのノウハウや現地ネットワークをフル活用し、日系企業様のインドでのビジネス展開をオーダーメードでご支援します。

イースクエアの実績
イースクエアでは、2010年よりインドを始めとする開発途上国・新興国での日系企業のビジネス展開を政府機関、公的機関、国際機関が提供する様々な支援スキーム(委託調査事業や補助金・助成金等)を活用しながらサポートしています。
〈インドプロジェクト実績表〉
| 年度 | スキーム名/事業内容 | 事業者名 |
|---|---|---|
| 2015 | JICA案件化調査(中小企業支援型)/環境配慮型トイレの導入にかかる案件化調査 | 大成工業株式会社(鳥取県) |
| 2016 | 民間 市場調査/建築資材(建築骨材)の市場調査 | 非公開(近畿地方) |
| 2017 | JICA普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)/環境配慮型トイレの導入にかかる普及・実証事業 | 大成工業株式会社(鳥取県) |
| 2018 | JICA案件化調査(中小企業支援型)/鋳物製造技術者育成にかかる案件化調査 | 株式会社木村鋳造所(静岡県) |
| 2020 | JICA普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)/鋳物製造技術者育成にかかる普及・実証・ビジネス化事業 | 株式会社木村鋳造所(静岡県) |
| 2021 | 民間 市場調査/有機化学品製造業の市場調査 | 非公開(九州地方) |
| 2021 | 民間 市場調査/建設業における人材育成の市場調査 | 非公開(東海地方) |
| 2021 | 民間 市場調査/衛生関連装置の市場調査 | 非公開(関東地方 |
| 2022 | J-Partnership インド建築板金技術者育成に係る実証 | アイティップス株式会社(愛知県) |
| 2023 | インドのCSR資金を拠出する日系企業向けTSSの普及促進事業 | 非公開(鳥取県) |
| 2024 | インド 海外ネットワーク形成事業 | 地方自治体 |
| 2025 | インド/鋳造要素技術イノベーションを中心とした鋳造CoEおよび発展的CoE 形成可能性調査事業 | 株式会社木村鋳造所(静岡県) |
| 2026 | インド/農業ビックデータおよびAIを活用したキノコ栽培システムの販売可能性調査事業 | 東亜ソフトウェア株式会社(鳥取県) |
よくあるご質問
インドの市場特性や商習慣、制度環境を踏まえながら、事業化に向けた具体的な進め方を検討します。
「インド市場に可能性があるか知りたい」「どの州・都市を対象にすべきか分からない」「現地ニーズや競合を確認したい」といった段階でも、事業内容に応じて必要な調査や検討ステップをご提案します。
インドは地域や州によって市場環境が大きく異なるため、対象地域の絞り込みや優先順位づけも重要な調査項目となります。
事業内容に応じて、販売代理店、製造・調達先、導入先候補、行政機関、業界団体、大学、現地企業など、協業可能性のあるパートナー候補の探索・面談調整を支援します。
現地パートナーとの役割分担や連携可能性の整理もサポートします。
経済産業省やUNIDO(国連工業開発機関)などの公的機関の海外展開支援スキームや補助金・助成金等について、事業内容との適合性を確認し、活用可能性の検討を支援します。
必要に応じて、申請に向けた事業計画や調査・実証設計の整理もサポートします。
机上調査だけでは分からない現地の導入条件や価格感度、運用上の課題を確認します。
また、事業分野によっては許認可、輸入規制、税制、現地調達、アフターサービス体制なども確認する必要があります。
現地の社会課題解決と事業性の両立を目指す取り組みについて、ご相談いただけます。
市場調査や実現可能性調査の結果を踏まえ、現地パートナーとの協議、事業スキームの設計、販路構築、実証計画の策定、事業立ち上げに向けた実務支援まで対応可能です。
単発の調査にとどまらず、事業化に向けた次のアクションまで伴走します。
対象地域や進め方がまだ明確でない場合でも、初期段階からご相談いただけます。
