TNFD、自然課題に関する取締役向け質問ガイド発行。取締役会が経営陣に問うべき12の重要な質問を提示
2025年5月 6日
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、Chapter Zero、Competent Board、Commonwealth Climate and Law Initiative、Green Finance Instituteと連携し、取締役向け解説ガイド「Asking Better Questions on Nature」を公表した。
本ガイドは、自然への依存、影響、リスク、機会に関する洞察を意思決定に反映させるために、取締役会が経営陣に問うべき12の重要な質問を提示している。これらの質問は、既に自然課題に取り組んでいる組織の取締役や幹部との対話に基づいて選定されたもので、シンガポールのSGXオーディトリアムで行われたイベントで発表された。
Chapter ZeroのCEOであるヴィッキー・モファット氏は、「我々のメンバーの多くは、自然関連課題にどうアプローチすればよいか分からないと話している。多くの取締役会では気候が重視されているが、自然と気候の統合的アプローチの重要性はあまり認識されていない。自然に対する依存とインパクトは企業のレジリエンスに関する問いの中心にあるべきものだが、このガイドによって的確な問いを立てられるようになる」と語っている。
また、TNFDのCEOであるトニー・ゴールドナー氏は、「2023年9月にTNFD提言が公表されてから18カ月が経過し、500を超える組織と17兆米ドルを超える運用資産が、提言に沿って、自然関連課題の自主的な評価と報告を進めている。データと分析が生成されつつある今、取締役会と個々の取締役が、自然関連情報を意思決定の重要なインプットとして適切に活用できるよう、スキルアップを図ることが不可欠である」と述べている。
なお、このガイドはシリーズの第一弾で、今後 12カ月間にさまざまなパートナーと協力して他の対象者向けのガイドをリリースする予定である。