ISSBとTNFD、資本市場における自然関連情報の活用に向けた協力に関する覚書締結
2025年4月 9日
IFRS財団傘下の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、資本市場における自然関連情報の活用に向けた協力を目的に自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)と覚書(MoU)を締結した。ISSBは今後、投資家の情報ニーズに対応する上でTNFD提言の有効性を検討する。
ISSBは2021年のTNFD設立当初からのナレッジパートナーであり、SASB業種分類や旧CDSBの生物多様性ガイダンス、IFRS S1などが2023年9月に発表されたTNFD提言の基盤となっている。また、TNFDは2024年に開始されたISSBの「BEES(生物多様性・生態系・生態系サービス)」研究プロジェクトを支援しており、2025年2月にはこれまでの成果をISSBメンバーに共有し、共通理解に基づくさらなる協働の土台を築いた。今回締結されたMoUにより、二者間の協力がさらに深まるとともに、市場啓発や能力構築に関する連携も模索される。
IFRS財団評議員会議長のErkki Liikanen氏は、「ISSBがTNFDのこれまでの尽力を評価していることを示すためにも、連携を正式化できることを嬉しく思う。透明性と説明責任は、安定的でレジリエントかつ効率的な資本市場の実現に不可欠である。この協働により、既存の知見と実務を活かしつつ、サステナビリティ情報開示の複雑さを軽減させるISSBの取り組みを前進させる」と述べている。