ニューヨーク州、GHG排出報告の義務化案を公表、2027年6月より適用へ
2025年3月25日
ニューヨーク州は、エネルギー、建物、輸送、廃棄物の各分野を含め、2050年までに排出ガスのない経済を実現することを目指した取り組みを推進している。その一環として、ニューヨーク州環境保全局(DEC)は、特定の温室効果ガス(GHG)排出源からの報告の義務化案を発表した。本案の目的は、汚染削減や排出枠の購入の義務付けではなく、報告のみに特化している。報告義務は2027年6月から適用され、対象となる事業者は前年の排出実績を毎年DECに提出する必要がある。
対象は、CO2換算で年間1万トン以上を排出する州内の施設のほか、州内の最終利用者に燃料を供給する燃料供給事業者、廃棄物の収集・輸送・輸出業者、電力事業者、農業用石灰や肥料供給業者など多岐にわたる。特定の大規模排出源に対しては第三者検証も義務付けられる。
本案は、州と連邦レベルで既に報告の義務づけられているデータを活用して報告コストを最小限に抑えるとともに、米国環境保護庁(EPA)のGHG規制等の見直しの方向性への対応にあたっても補完的役割を果たすものでもある。本案に対するパブリックコメントを2025年4月2日から7月1日まで受け付けており、バーチャルおよび対面形式での説明会や公聴会も開催される予定。また、DECは報告支援のためにオンライン報告プラットフォームや、簡易的な報告の必要性見極めのための見積ツールの開発、トレーニング提供も進めている。