マイクロソフト、2025年版の環境サステナビリティ報告書を発表し、環境目標の進捗を報告
2025年5月29日
マイクロソフトは、2025年版の環境サステナビリティ報告書を公表した。同社は2020年に「2030年までにカーボンネガティブ、ウォーターポジティブ、廃棄物ゼロを達成し、2025年までに使用面積以上の土地を保護する」というコミットメントを発表しており、その達成に向けた進捗が報告されている。
生態系の分野では、使用面積を上回る土地を保護するという目標を2022年に達成。生物多様性保全に「AI for Good Lab」での研究等も活かしている。
廃棄物では、建設・解体廃棄物の75%をリサイクルするという目標を6年前倒しで達成し、2024年会計年度には85%をリサイクルした。また、サーバーやコンポーネントの再利用・リサイクル率は90.9%に達した。
水の分野では150万人以上に安全な水と衛生設備を提供するという目標を達成。冷却に使用する水をゼロにすることで、1施設あたり年間125,000立方メートルの水使用を削減できる見込みの新たなデータセンター設計も検討されている。
カーボンネガティブでは、これまでに24カ国で2020年の18倍となる34GWのカーボンフリー電力調達を実現し、3,000万トン近い炭素除去量を調達する長期契約を締結している。
スコープ1・2排出量は2022年比で29.9%減少したものの、スコープ1・2・3総排出量はAIやクラウドの成長に伴い23.4%増加した。これに対処するため、バリューチェーンにおける排出量削減に取り組むとし、主要サプライヤーに対して納入商品・サービスに使用する電力の100%カーボンフリーへの移行を義務付けるなどを進めている。
加えて、気候イノベーション基金(Climate Innovation Fund: CIF)への10億ドルの投資や、AI活用による極端な気象現象のリスク解析、オープンソースによる気候関連ソリューションの拡充など、グローバルな連携と革新を進めている。
同社は今後も、戦略の適応と新たなサステナビリティ市場の活用、革新的なテクノロジーの拡大により、より大きなインパクトの創出を目指すとしている。