世界経済フォーラム(WEF)は、最高サステナビリティ責任者(CSO)の視点をまとめた初の報告書「最高サステナビリティ責任者の展望(仮訳)(Chief Sustainability Officers’ Outlook)」を公表した。
大企業の最高サステナビリティ責任者(CSO)からなるWEFのグローバルCSOコミュニティーを対象に調査し、5大陸のメンバーから103件の匿名回答を得た。地政学的な緊張や、短期的な業績への圧力が強まるなかでも、63%のCSOが、今後1年でサステナビリティの進展は現状のペースを維持するか加速すると見込んだ。中期的な加速要因としては、64%が「明確な経済合理性」、56%が「関連技術の低コスト化と利用可能性の向上が挙げられている。
一方、地域や業種により、サステナビリティへの移行の速度が大きく異なる「グリーン・ダイバージェンス」が生じている。世界のグリーン経済の年間価値は5兆ドル超で、2030年までに7兆ドルを超える見通しだが、政策の不確実性や取締役会の理解・支持不足により進展が停滞する業種や市場もあるという。
AIへの期待も大きく、73%はAIがサステナビリティの進展を加速すると見込んだ。一方、77%がAIインフラのエネルギー・資源消費を負の影響と捉えており、AIによる効率化と環境負荷のトレードオフが浮き彫りとなった。
気候変動への適応も重要視され、85%が、今後3年間で適応がより重要になると回答した。しかし、適応投資の費用対効果を見極めにくいことが障壁となっており、62%がこれを主要な制約要因として挙げている。
WEFのマネージングディレクター、セバスチャン・バックアップ氏は、サステナビリティへの移行は、もはや野心の有無ではなく、実行が問われる局面にあると述べている。
https://www.weforum.org/publications/chief-sustainability-officers-outlook-september-2026
https://www.weforum.org/stories/business/chief-sustainability-officers-priorities


