年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、「第11回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート」の結果を公表した。調査はTOPIX構成企業1,666社を対象に実施され、625社が回答した。今回の調査では、従来の機関投資家との対話(エンゲージメント)の実態把握に加え、サステナビリティ情報の活用状況やKPIの設定、ESG指数への対応など、企業のサステナビリティ経営に関する項目が新たに盛り込まれた。
調査結果によると、企業の多くは、投資家との議論が株主還元などの短期的な内容にとどまらず、資本コストや資本効率、成長投資、既存事業の収益性向上といった企業の持続的な成長にむけた企業の中長期的なテーマへ広がっていると回答した。特に東京証券取引所が求める「資本コストや株価を意識した経営の実現にむけた対応」では、「取組みの実行」段階に進んだ企業が前回調査より19.3ポイント増加し、企業の取り組みが進展していることが明らかになった。
サステナビリティ分野では、企業の9割超が重要課題に関するKPIを設定していることが分かった。設定されている主なKPIとしては、GHG排出、ダイバーシティ推進、人的資本、企業不祥事・オペレーショナルリスク、などが挙げられた。これらのKPIは投資家との対話だけでなく、経営会議でのモニタリングや経営陣の意思決定、人事評価や役員報酬にも活用されている。サステナビリティを経営管理の仕組みに組み込む動きが広がっていることが明らかとなった。また、投資家が最も活用している開示媒体として統合報告書が挙げられ、非財務情報と企業価値向上のストーリーを結び付けて説明する重要性が高まっている。
一方で、企業規模による差も見られた。大企業ほどサステナビリティ情報が投資家に活用されていると感じる傾向が強く、ESG指数への組み入れに向けた取り組みも積極的であった。企業の約8割は、GPIFが採用するESG指数への組み入れや比率向上を意識した活動を行っていることが分かった。
https://www.gpif.go.jp/esg-stw/stewardship/stewardship_questionnaire_11.html
https://www.gpif.go.jp/esg-stw/stewardship_questionnaire_11.pdf


