科学的根拠に基づいた目標イニシアティブ(SBTi)は、企業が温室効果ガス排出量を絶対量で減らす目標を設定する際に用いる「絶対量削減アプローチ(ACA:Absolute Contraction Approach)」を改定した。今回の改定は、今後導入が予定されている「企業向けネットゼロ基準第2版」で提案されている手法と整合させるもので、企業が現行の第1.3版から第2版への移行をしやすくする狙いがある。
ACAは、現行の「企業向けネットゼロ基準第1.3版」と「企業向け短期目標基準第5.3版」において、企業が絶対量ベースの温室効果ガス排出削減目標を設定する際に用いられる手法である。今回のACA改定では、企業が選択した基準年からネットゼロ目標年までの期間を踏まえて年間削減率を調整し、短期的な排出量削減の算定手法が改定される。
変更されるのは目標の計算方法と削減の配分方法で、ネットゼロ達成の要件や、年間削減率の最低基準値である4.2%に変更はない。これまでは目標設定時期が遅い企業ほど短期間で高い削減率が求められる傾向があったが、今回の改定により、2050年までの削減行程を踏まえた、より一貫性のある削減ペースで目標が算定されるようになる。なお、今回の改定はエネルギー・産業由来の排出目標だけでなく、森林・土地・農業(FLAG)分野の目標についても即時適用される。
今回の改定の影響を受けるのは、2026年と2027年に目標を設定する企業や、SBTiに新規参加し初めて目標を設定する企業、ならびに5年ごとの見直しの対象期間に入るなどして目標を更新する企業となる。既に目標設定中の企業については追加でデータを用意したり、手続きをする必要はなく、改定されたアプローチに基づき、検証ポータル内で計算が適用される。
https://sciencebasedtargets.org/news/the-sbti-updates-the-absolute-contraction-approach-to-improve-consistency-and-implementation-while-maintaining-net-zero-ambition


