2026年10月2日、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の二次公募が正式に開始されました。
今回の公募対象は、一次公募と同様に「小規模実証・FS(フィージビリティ・スタディ)」です。公募期間は2026年10月2日(金)から10月23日(金)12時まで、採択結果は2027年1月中旬頃に公表される予定です。
補助率や補助上限額など制度の基本的な枠組みは一次公募から大きく変わっていません。一方、二次公募では、重複・類似案件の確認、未設立法人を共同申請者とする場合の要件、申請様式など、申請実務に関わる部分にいくつか重要な変更・明確化が行われています。
本記事では、一次公募と二次公募の違いを中心に、申請を検討する企業が注意すべきポイントを整理します。
目次
- グローバルサウス補助金の二次公募概要
- グローバルサウス補助金 二次公募の主な変更点
- 補助率・補助上限額など変更されていない点
- 相手国政府・企業等からのレターについて
- グローバルサウス補助金の二次公募に申請する際の注意点
- 公募締切までの準備期間は約3週間
- イースクエアによるグローバルサウス補助金の申請・事業化支援
グローバルサウス補助金の二次公募概要
今回の二次公募では、FSと小規模実証を合わせて65件程度の採択が予定されています。
主な公募条件は以下のとおりです。
- 公募期間:2026年10月2日~10月23日12時
- 採択結果公表:2027年1月中旬頃
- FSの補助上限額:1億円
- 小規模実証の補助上限額:5億円
- 補助率:原則1/2以内
- 中小企業等の補助率:一定の要件を満たす場合は2/3以内
補助率や補助上限額については、一次公募から基本的な変更はありません。
一方、申請書類や案件の重複性の確認などについては、一次公募より詳細なルールが設けられています。
なお、グローバルサウス補助金の対象となる事業や、案件形成の際に押さえておきたいポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
グローバルサウス補助金の対象事業とは?採択を目指すために押さえたい7つのポイント【2026年版】
また、FSと小規模実証では、補助上限額だけでなく、事業の目的や実施できる内容が異なります。どちらに応募すべきか迷っている場合は、以下の記事もご参照ください。
グローバルサウス補助金のFSと小規模実証の違い|どちらに応募すべき?【2026年版】
グローバルサウス補助金 二次公募の主な変更点
一次公募からの主な変更点を整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 一次公募 | 二次公募 |
|---|---|---|
| 採択予定件数 | FS・実証合わせて80件程度 | 65件程度 |
| FSの事業期間 | 交付決定日から原則12か月 | 交付決定月の翌月から起算して12か月 |
| 小規模実証の事業期間 | 交付決定日から原則18か月 | 交付決定月の翌月から起算して18か月 |
| 重複・類似案件 | 重複申請等を制限 | ルールを詳細化し、申請様式でも確認 |
| 未設立法人 | 詳細な規定なし | 共同申請者とする場合の要件を明記 |
| 申請様式 | 様式2を中心とした構成 | 様式2-1、2-2、スケジュール等に再編 |
制度の大枠が変わったというよりも、一次公募の実施を踏まえ、申請時に確認・説明すべき事項がより明確になったと捉えるのがよいでしょう。
採択予定件数は80件程度から65件程度へ
一次公募では、FSと小規模実証を合わせて80件程度の採択が予定されていました。
これに対し、二次公募では65件程度となっています。
一次公募では238件の応募に対して65件が採択されており、採択率は約27%でした。
一次公募の結果については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
グローバルサウス補助金 令和7年度第1回公募の結果と第2回公募の見通し
二次公募では一次公募で採択されなかった案件の再応募が想定されるため、一次公募に比べて競争率はさらに上がる(採択率が下がる)ことが予想されています。
事業実施期間と起算方法が変更
二次公募では、FS・小規模実証ともに事業実施期間の考え方が変更されています。
FSについては、
交付決定月の翌月から起算して12か月
小規模実証については、
交付決定月の翌月から起算して18か月
とされています。
一次公募では「交付決定日から」という考え方でしたので、単に最終期限が後ろ倒しになっただけでなく、事業期間の起算方法そのものが変更された点に注意が必要です。
二次公募における事業終了期限は、
- FS:最長2028年4月30日
- 小規模実証:最長2028年10月31日
となっています。
海外で調査や実証を行う案件では、現地調整、許認可取得、設備輸送、設置工事などに時間を要するケースも少なくありません。
特に小規模実証では、設備を現地に設置すればすぐに実証を開始できるとは限りません。技術や設備の内容によっては、輸入、設置、運転などについて現地当局の許認可が必要になる場合があります。
そのため、実証期間だけでなく、実証を開始するまでに必要となる許認可取得や現地手続きの期間も含めたスケジュールを検討することが重要です。
重複・類似案件の確認が強化
二次公募で特に注意したいのが、同一または類似する事業の申請に関するルールです。
同じ事業を複数に分割して申請することや、他の政府・自治体等の補助事業と重複して申請することについては、一次公募でも制限されていました。
二次公募では、この考え方がより詳細に整理されています。
例えば、
- 同一または類似する内容を同じ公募に複数申請する
- 一つの事業を分割して複数案件として申請する
- 複数の申請者が同一または類似案件を申請する
- 他の政府機関、独立行政法人(JICA等)、地方自治体等の支援制度と重複する
- 過去に実施した事業と実質的に同じ内容を申請する
といったケースについて確認が求められます。
さらに、二次公募の「様式2-1」には、事業類似性を確認するためのチェック項目が設けられています。
重要なのは、過去に類似事業を実施している企業が一律に応募できないということではありません。しかし、グローバルサウス補助金の活用を希望する企業が多いことから、過去に検証活動がなされていない案件を優先して採用する意向が補助金事務局にはあるようです。公金の使い方としては極めて妥当な視点と言えるでしょう。
例えば、過去に実施した事業とは対象地域や調査・実証の範囲が異なっている場合や、FSの結果を踏まえて次の段階の実証に進む場合など、過去案件との違いや今回実施する必要性を明確に説明できることが重要になります。
そのため、類似案件がある場合には、
「過去の事業で何を実施し、何が明らかになり、今回新たに何を確認・検証するのか」
まで整理しておくことをおすすめします。
未設立法人を共同申請者とする場合の要件が追加
二次公募で新たに明確化された重要なポイントの一つが、申請時点でまだ設立されていない法人を共同申請者に含める場合の扱いです。
例えば、新規事業の実施主体としてSPC(特別目的会社)を設立し、その法人を共同申請者とするケースなどが想定されます。
この場合、申請時点で法人が未設立であっても一定の条件のもとで応募できますが、
当該法人の設立を補助事業者が組織として決定したことを示す資料
の提出が必要になります。
また、設立時期を明記し、原則として2027年3月末までに法人を設立することが求められます。
必要な資料が提出されていない場合は審査対象とならず、採択後も期限までに法人を設立できなければ採択が取り消される可能性があります。
新会社やSPCを活用した事業スキームを検討している企業は、申請書作成だけでなく、社内での法人設立に関する意思決定や、そのことを確認できる資料の準備を早めに進める必要があります。
申請様式が再編
二次公募では、申請様式の構成も変更されています。
一次公募では「様式2 提案書」を中心に事業内容を記載する構成でしたが、二次公募では、
- 様式2-1:案件情報
- 様式2-2:提案内容
- 事業スケジュール
などに分けて作成する形式になっています。
特に様式2-1には、前述した事業の類似性・重複性に関する確認項目も含まれています。
一次公募に応募した企業が二次公募に再度申請する場合でも、一次公募用に作成した申請書をそのまま提出することはできません。
もちろん、一次公募で作成した市場情報や事業計画などを活用することは可能ですが、最新の様式を使用し、二次公募で求められている項目に合わせて内容を再整理する必要があります。
補助率・補助上限額など変更されていない点
一方、グローバルサウス補助金の基本的な支援内容については、大きな変更はありません。
FSの場合、補助上限額は1億円です。
小規模実証の場合は、補助上限額が5億円となっています。
補助率についても、原則として1/2以内、中小企業等については一定の要件を満たす場合に2/3以内という基本的な枠組みが維持されています。
また、FSと小規模実証の基本的な位置付けも変わっていません。
FSは、案件組成段階において市場、顧客ニーズ、規制、事業採算性、パートナー、事業体制などを調査し、事業化の可能性を検討するものです。
一方、小規模実証は、実地に適用可能な段階にある技術・システム等を対象国で使用し、その有効性や経済性等を実際の事業環境で確認するものです。
両者の違いについては、以下の記事で詳しく整理しています。
グローバルサウス補助金のFSと小規模実証の違い|どちらに応募すべき?【2026年版】
二次公募は制度そのものが大幅に変更されたというより、一次公募の実施を踏まえて、申請・審査に関するルールや様式が整理された公募と見ることができます。
相手国政府・企業等からのレターについて
海外事業では、相手国政府や現地企業などとの協力関係も重要です。
二次公募でも、現地政府・企業等との本事業に関連するMOUやレターなどを応募書類として提出することができます。
こうした書類は、いわゆる**エンドースメント(事業への支持・支援の表明)**として、案件の実現可能性や現地側のニーズを示す材料となります。
ただし、これは二次公募で新たに導入された仕組みではなく、一次公募でも同様の書類を提出することが可能でした。
また、「レターがあれば必ず評価される」というものではなく、誰が発行したレターなのか、事業についてどの程度具体的な協力や支持が示されているのかなど、その内容も重要です。
海外側パートナーとの関係が既にある場合には、単なる形式的な推薦状ではなく、例えば、
- 当該事業への関心
- FSや実証への協力意向
- 必要な情報の提供
- 実証場所等の提供
- 将来的な技術導入や事業化への関心
など、可能な範囲で具体的な協力内容を記載してもらうことが考えられます。
特にFSでは、単に「日本企業の技術に関心がある」という内容だけでなく、なぜ現地でこの事業を検討する必要があるのか、FSを通じて何を確認したいのかが相手方の視点からも示されていると、案件の具体性を説明しやすくなります。
グローバルサウス補助金の二次公募に申請する際の注意点
二次公募への申請を検討している企業は、少なくとも以下について早めに確認しておくことをおすすめします。
1.一次公募の申請様式をそのまま使用していないか
二次公募では申請様式が再編されています。
一次公募の申請書をベースにする場合でも、必ず二次公募の最新様式を使用し、追加・変更された項目を確認する必要があります。
2.過去案件や他の補助事業との重複・類似性を説明できるか
過去に類似するFSや実証、自主事業、他の公的支援事業などを実施している場合には、今回の事業との違いを整理する必要があります。
「過去の事業では何が分かり、今回何を新たに確認するのか」という形で整理すると、今回の補助事業を実施する必要性が分かりやすくなります。
3.FSと小規模実証のどちらが適切か
補助上限額の大きさだけで小規模実証を選ぶべきではありません。
今回の事業で解消したい不確実性が、市場、顧客ニーズ、規制、価格、事業モデルなどにあるのか、それとも実際の事業環境で技術の性能や有効性、経済性を検証する必要があるのかによって、適切な事業類型は異なります。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
グローバルサウス補助金のFSと小規模実証の違い|どちらに応募すべき?【2026年版】
4.共同申請者の体制は確定しているか
未設立法人を共同申請者とする場合には、法人設立について組織として決定したことを示す資料などが必要になります。
また、既存法人との共同申請であっても、各社の役割や費用負担、補助事業終了後の事業体制を明確にしておくことが重要です。
5.現地で必要となる許認可を確認しているか
特に小規模実証では、設備の輸入、設置、運転などについて現地当局の許認可が必要となるケースがあります。
許認可の取得に数か月を要する場合、実証そのものに使える期間が想定より短くなることも考えられます。
申請段階から、どのような許認可が必要か、誰が申請するのか、取得までどの程度の期間を要するのかを確認しておくことが重要です。
6.現地政府・企業等との協力関係を示せるか
MOUやレターの取得には相手方との調整に時間がかかることがあります。
提出を予定している場合は、公募締切直前になって依頼するのではなく、早めに内容を整理し、相手方との調整を進めることをおすすめします。
なお、これらはあくまで申請時の確認事項の一部です。案件の組み立て方や採択を目指すうえで確認しておきたいポイントについては、以下の記事もご参照ください。
グローバルサウス補助金の対象事業とは?採択を目指すために押さえたい7つのポイント【2026年版】
公募締切までの準備期間は約3週間
二次公募の締切は2026年10月23日12時です。
公募開始から締切まで約3週間しかありません。
グローバルサウス補助金では、単に申請書を書くことだけでなく、
- 海外市場・事業環境の整理
- 現地ニーズの確認
- 現地パートナーとの役割分担
- FS・実証で検証する内容の設計
- 事業化までのロードマップ
- 費用積算
- 現地政府・企業との調整
- 社内実施体制の構築
などを一体として整理する必要があります。
特に今回の二次公募では、重複・類似案件の確認や未設立法人の扱いなど、一次公募以上に申請時点で明確にしておくべき事項があります。
一方で、申請書を作成すること自体が目的になってしまうと、採択後に「何を調べればよいのか」「実証後にどう事業化するのか」が曖昧になりかねません。
まずは、補助事業終了後にどのような事業を実現したいのか、そのために現時点で何が分かっておらず、今回のFS・実証で何を明らかにする必要があるのかを整理することが重要です。
イースクエアによるグローバルサウス補助金の申請・事業化支援
株式会社イースクエアでは、グローバルサウス補助金を活用した海外展開について、申請書作成だけでなく、FSや実証事業の設計、海外市場調査、現地パートナーの発掘・調整、現地調査、採択後の事業実施まで一貫した支援を行っています。
特に、FSや実証事業では「補助金に採択されること」だけでなく、その後の海外事業につながる調査・実証を設計できるかどうかが重要です。
一方、対象国での事業経験や現地ネットワークがあり、社内で事業計画の策定から申請、採択後のFS・実証まで対応できる場合には、必ずしも外部のコンサルタントを利用する必要はありません。
外部支援を利用するか迷っている場合は、以下の記事で、コンサルタントを活用するメリットや、自社で対応しやすいケースについて整理しています。
グローバルサウス補助金の申請にコンサルは必要?外部支援を活用すべきケース
グローバルサウス補助金の活用や、海外でのFS・実証事業の組成についてご相談がありましたら、イースクエアまでお問い合わせください。
※本記事は2026年10月2日時点で公表されている公募要領等に基づいて作成しています。実際に応募する際には、必ず最新の公募要領、FAQ、申請様式等をご確認ください。

