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機関投資家は、Sustainalytics ESG Risk Ratings (サステイナリティクス ESGリスクレーティング)を投資制約や企業分析、エンゲージメントにどのように活用しているのか。企業のサステナビリティ担当者やIR担当者にとって、大きな関心事ではないでしょうか。
一般的に、ESG評価を確認するとき、企業は「評価スコアが上がったか」「ESG指数に採用されたか」といった結果に目を向けがちです。しかし、機関投資家は、Sustainalytics ESG Risk Ratingsの総合スコアだけを見て投資判断を行っているわけではありません。評価を投資対象の選定ルールに利用するほか、企業分析のインプットや、企業とのエンゲージメントで確認すべき論点を整理する材料としても活用しています。
この度、イースクエアでは、これまでに繋がりのあるお客様を対象に、Morningstar Sustainalyticsとの共催による第2回のセミナーを開催しました。セミナーでは、モーニングスター・ジャパン株式会社の荻野聡美氏が、Sustainalytics ESG Risk Ratingsの評価の考え方を解説したほか、三井住友DSアセットマネジメント株式会社の水野政紀氏が、アクティブ投資家によるESG評価の活用方法を紹介しました。加えて、後半では、株式会社イースクエアの及川謙をモデレーターとして、荻野氏、水野氏との三者対談を実施しました。
本記事では、セミナーで語られた内容を基に、機関投資家がSustainalyticsの評価をどのように企業分析や投資判断に活用しているのか、企業は評価結果を踏まえて何に取り組むべきなのかなどを解説します。
セミナーの概要――Sustainalyticsの考え方と投資家の視点
今回のセミナーは、次の3部構成で開催されました。
- Sustainalytics ESG Risk Ratingsのポイント – 登壇者:荻野聡美氏(モーニングスター・ジャパン株式会社)
- ESG Risk Ratingsの活用事例 – 登壇者:水野政紀氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)
- 三者対談 – モデレーター:及川謙(株式会社イースクエア)、登壇者:荻野氏、水野氏
セミナー全体から見えてきたポイントをまとめると、次の5点と言えます。
- Sustainalytics ESG Risk Ratingsは、企業が抱えるESGリスクのうち、十分に管理されていない「未管理リスク」を評価するのが特徴
- 機関投資家は、ESG評価をESG指数への選定状況だけでなく、投資制約、企業分析、モニタリング、エンゲージメントにも活用している
- ESGスコアは投資判断の結論ではなく、企業に確認すべき「問い」を設定するための材料となっている
- 評価改善には、取り組みの実態と、それを外部から確認できる開示の両方が必要である
- すべての評価項目に一律に対応するのではなく、自社のマテリアリティに基づく優先順位づけが重要である
つまり、Sustainalyticsの評価は、特定のインデックスに採用されるためだけのものではありません。投資家の社内分析や企業との対話(エンゲージメント)にも活用されており、企業が資本市場からどのように見られるかに関わる重要な情報となっています。
Sustainalytics ESG Risk Ratingsとは(荻野氏)
Sustainalytics ESG Risk Ratingsは、企業が重要なESGリスクにどの程度さらされ、そのリスクをどの程度管理できているかを評価する仕組みです。
Sustainalyticsでは、産業に共通する重要なESG課題として22種類のMaterial ESG Issuesを設定しています。各産業にどのESG課題を適用するかは、業界関連のスタンダードなどを基にセクターアナリストが判断し、毎年レビューしています。
評価は、大きく「Exposure (エクスポージャー)」と「Management (マネジメント)」という2つの要素から構成されます。
Exposure (エクスポージャー)――企業がどの程度ESGリスクにさらされているか
Exposureは、企業がどの程度ESGリスクにさらされているかを示すものです。
まず、企業が属する産業にとって重要なESG課題を特定します。荻野氏は、一例として自動車産業を挙げました。同産業であれば、製品ガバナンスやGHG排出、産業共通の課題であるコーポレートガバナンスなどが候補になります。
そのうえで、事業を展開する国・地域、保有する資産の規模、事業構成など、企業固有の要素も考慮し、企業がさらされているESGリスクの大きさを算定します。ただし、企業がさらされているリスクのすべてを、企業努力によって管理できるわけではありません。
そのため、Exposureのうち、企業の施策によって対応できる「管理可能リスク」と、企業努力だけでは完全に管理できないリスクを区分します。
Management (マネジメント)――企業がリスクをどの程度管理しているか
Managementでは、企業が管理可能なESGリスクに対して、どのような方針、体制、施策、目標を設け、実際に運用しているかを評価します。
各ESG課題には複数のManagement Indicatorが設定され、それぞれの指標に評価基準となるクライテリアが存在します。各Indicatorのスコアに重要度を示すウェイトを掛け、それらを積み上げることで、ESG課題ごとのManagement Scoreが算出されます。
ここで重要なのは、評価項目を形式的に満たすだけでは、必ずしも高い評価につながらない、ということです。
荻野氏は、製品・サービスの環境配慮やサプライヤーの環境方針などを例に挙げ、方針や声明を開示するだけでなく、目標、具体的な施策、意思決定への反映、サプライヤーとの対話など、企業の実態を伴う対応が重視されると説明しました。
最終的に、企業がさらされているESGリスクから、企業によって管理されているリスクを差し引いた残りが「未管理リスク」です。この未管理リスクが、Sustainalytics ESG Risk Ratingsのスコアになります。
したがって、一般的な点数評価とは異なり、Sustainalytics ESG Risk Ratingsは、数値が低いほど未管理リスクが小さく、評価が良いという見方になります。
評価改善には「企業実態」と「開示」の両方が必要
Sustainalyticsの評価において、企業が改善できる主な領域はManagementです。
企業がESGリスクを適切に認識し、方針、責任体制、目標、施策、モニタリングなどを整備することで、管理状況の改善につなげられます。一方で、取り組みを実施していても、それらが公開情報として確認できなければ、評価には反映されません。
評価プロセスでは、Sustainalyticsから企業にファクトチェックシートが提供され、情報の不足や誤りがある場合には、企業がフィードバックを行う機会も設けられています。評価公表後に追加情報を伝えるプロセスもありますが、評価の根拠となるのは、原則として公開された情報であることが必要です。
つまり、Sustainalytics評価の改善には、単に開示項目を増やすのではなく、企業の実態を整えたうえで、その取り組みを第三者が確認できる形での開示が必要となります。
機関投資家はESG Risk Ratingsをどう活用しているのか(水野氏)
続いて、水野氏は、投資家の視点からSustainalytics ESG Risk Ratingsがどのように使われているのかを解説しました。水野氏はまず、「ESGスコアは、投資判断の結論ではない」と強調しました。スコアが良いから買う、悪いから売る、という単純なものではなく、アクティブ投資家が見ているのは、スコアの背後にあるリスク認識、マテリアリティ、企業価値との接続、そして企業との対話の可能性です。
Sustainalytics ESG Risk Ratingsが投資家にとって有用である理由として、水野氏は次の3点を挙げました。
- Financial Materiality(財務的マテリアリティ)、すなわち、企業価値に関わるESGリスクに軸足を置いている
- 評価の考え方や根拠の透明性が比較的高い
- グローバルで多くの投資家に参照されている代表性がある
中でも特徴的なのは、ESGリスクの大きさを、可能な限り共通の尺度で数値化しようとしている点です。
多くのESG評価では、業種ごとの重要度をウェイトで表現します。水野氏は、これを大学入試における「数学の配点が高い」「英語を重視する」といった教科ごとの配点に例えました。一方、投資家が知りたいのは、各課題の重要度だけではありません。その企業や業種が向き合うESGリスク自体が、どの程度大きいのかという点です。
Sustainalytics ESG Risk Ratingsでは、リスクを「大きい」「小さい」と定性的に示すだけでなく、一定の共通尺度で数値化します。数値が常に絶対的に正しいとは限らないものの、絶対水準を示す数値があることで、投資家と企業との間で具体的な議論ができます。
水野氏は、このように「議論の解像度を上げる」点で、Sustainalyticsのフレームワークは有用だと説明しました。
こうした特徴を踏まえ、水野氏は、Sustainalytics ESG Risk Ratingsが機関投資家の実務で参照される代表的な場面を、次の3つに整理しました。
活用方法1|投資のルールや制約として利用する
1つ目は、ESG Risk Ratingsを投資対象の選定ルールや制約として利用する方法です。例えば、投資対象のうちESGリスクが相対的に高い企業には投資しない、一定のリスク水準を超える企業への投資には追加の承認を求める、といったルールが考えられます。
水野氏は、その具体例として、ESGリスクがワースト20%に入る企業を投資対象から除外するケースや、Sustainalyticsのリスク分類で「Severe」など一定以上に高い水準と評価された企業には、原則として投資しないケースを挙げました。
また、個別企業を除外しなくても、ポートフォリオ全体のESGリスクを、市場平均よりも良好な水準に維持するために利用することもあります。
よって、企業にとって重要なのは、Sustainalyticsの評価による影響が、ESGインデックスへの採用・不採用という形だけで現れるわけではないという点です。
TOPIXなどの代表的な市場指数への採用・除外は、パッシブ資金の需給に直結しやすく、企業にとっても分かりやすい影響として認識されます。
一方で、ESGインデックスに採用されること自体はもちろん意味がありますが、それだけで市場全体を代表する指数と同じような大きな資金フローが自動的に発生するとは限りません。
つまり、ESG評価の影響は小さいのではなく、影響の「出方」が異なると水野氏は話しました。
たとえば、運用商品や運用戦略によっては、ESGリスクが一定以上高い企業を投資対象にできない場合があります。財務業績や事業の社会的意義が評価されていても、ESGリスクを理由として投資対象にならない可能性があるのです。
特に、欧州で販売されるファンドや、顧客から明確なESG制約を受けている運用商品では、こうした傾向が強くなる場合があります。
したがって、企業はSustainalyticsの評価とインデックスとの関係だけでなく、自社が投資家から「投資可能な企業」と見られているのか、「追加的な説明が必要な企業」と見られているのかを確認する必要があります。
活用方法2|企業分析のインプットとして利用する
2つ目は、投資家自身が行う企業分析のインプットとして利用する方法です。アクティブ投資家は、外部評価機関のスコアをそのまま最終的な投資判断や社内ESG評価に採用しているわけではありません。
しかし、世界中の企業について、人権、サプライチェーン、気候変動、ガバナンスなど、すべてのESGリスクを投資家がゼロから調査することは現実的ではありません。
そこで、Sustainalytics ESG Risk Ratingsなどの外部データを活用し、企業調査の網羅性、比較可能性、効率性を高めています。
投資家は、評価結果を確認したうえで、例えば次のような点を検討します。
- Sustainalyticsの評価は妥当か
- 投資家自身の認識と異なる点はどこか
- どの個別課題が総合スコアに影響しているか
- 管理状況のどこに課題があるのか
- 企業に追加で確認すべき事項は何か
また、企業から見れば、「自社の株主は独自のESG評価を使っているため、Sustainalytics ESG Risk Ratingsは関係ない」と考えたくなる場合もあるかもしれません。しかし、投資家が独自評価を用いている場合でも、その参考情報や構成要素として、Sustainalyticsのデータや個別課題の評価が社内で参照されていることがあります。そのため、ESG Risk Ratings上で自社がどのように見られているかは、投資家内部の企業分析や社内議論にも影響し得ます。
活用方法3|エンゲージメントと総合的な投資判断に活用する
3つ目は、評価結果を企業とのエンゲージメントや総合的な投資判断の材料として活用する方法です。水野氏は、自身がアクティブ投資家として特に重要だと考える使い方として、この点を挙げました。
ESGスコアが悪い企業やESGリスクが高い企業を見たとき、アクティブ投資家は直ちに「投資しない」と結論づけるとは限りません。評価結果を出発点として、次のような問いを設定します。
- なぜこの企業のESGリスクは高いと評価されているのか
- そのリスクは本当に企業価値に影響するのか
- 評価が悪いのは、取り組みの実態に課題があるからか
- 実態は整っているものの、開示が不足しているだけなのか
- 経営陣は課題を認識しているのか
- 改善に向けた計画や具体的な施策はあるのか
こうした問いを、企業とのエンゲージメントを通じて確認します。
実態としてリスクが管理されているにもかかわらず、開示不足によって評価されていない場合には、投資家から開示改善を求めることがあります。
一方、実態そのものに課題がある場合には、単なる評価機関対応や開示改善ではなく、経営課題としての改善が必要になります。
そして、最終的な投資判断は、ESGスコアだけでは決まりません。財務分析、事業戦略、競争力、経営陣の質、株価のバリュエーション、企業との対話内容などと合わせて総合的に判断されます。
ESGを投資プロセスに統合している投資家ほど、スコアを機械的に利用するのではなく、スコアを入口として、その背後にあるリスク、マテリアリティ、改善可能性を見ているのです。
三者対談から見えた発行体企業への示唆
最後に、イースクエアの代表取締役CEOである及川謙がモデレーターを務め、三者対談が行われました。ここでは、Sustainalyticsの評価方法、投資家によるエンゲージメント、企業独自のマテリアリティと評価機関が設定する課題の関係などについて議論しました。
ここでは、対談から見えた発行体企業への示唆を、次の4つに整理します。
1.市場から適切に評価されるには、公開情報としての開示が必要
荻野氏は、Sustainalyticsでは公開情報を基に評価していると説明しました。企業が実際には優れた取り組みを実施していても、公開されていなければ評価には反映されません。その理由として、企業間の公平性と、情報の信頼性が挙げられました。
非公開の情報を個別に評価へ反映すると、評価対象企業間の公平性を保ちにくくなります。また、外部から確認できない情報については、その実態や信頼性を検証することも困難です。
一方で、水野氏は、投資家は企業との個別のエンゲージメントを通じて、公開情報だけでは把握しきれない取り組みの実態を理解できる場合があると述べました。しかし、個別の投資家が対話を通じて企業の実態を理解できたとしても、それだけで市場全体に伝わるわけではありません。
実態として問題がない、あるいは優れた取り組みが行われているのであれば、それを公開情報として発信することで、市場全体が企業を適切に評価できるようになります。取り組みの実態が社内や一部の投資家にしか伝わっていない状態は、企業にとっても「もったいない」。水野氏は、開示可能な範囲で公開情報として発信し、Sustainalyticsなどの外部評価機関にも把握される形にしていくことが重要だと述べました。
2.方針の有無だけでなく、意思決定への反映まで示すことが重要
Sustainalyticsの評価では、制度や方針を導入しているかどうかだけでなく、その仕組みが実際にどのように使われているかを細かく確認します。
対談では、インターナル・カーボン・プライシング(ICP)が例として取り上げられました。単に制度を導入しているだけでなく、炭素価格を開示しているか、価格の設定根拠は何か、地域別の炭素価格などを反映しているか、実際の投資や事業上の意思決定に活用しているかといった点まで評価されます。
このことから、評価改善を検討する企業は、「制度がある」「方針を公表している」という説明にとどまらず、運用プロセスや意思決定への反映、実施結果まで示すことが重要であると分かります。
3.すべての評価項目を埋めるのではなく、優先順位をつける
Sustainalyticsの評価基準を確認できるからといって、すべての項目に同じように対応すればよいわけではありません。水野氏は、投資家として、企業が限られた経営資源を使って評価項目のすべてに一律に対応することを求めているわけではないと述べました。
重要なのは、自社の事業特性や経営戦略に照らして、どのESG課題が企業価値に関わるのかを判断することです。そのうえで、Sustainalyticsの評価結果やクライテリアは、自社の課題を点検し、実態の改善と開示対応の優先順位を考えるための材料として活用できます。
その際、総合スコアだけを見るのではなく、どの個別課題が評価に影響しているのか、Indicator(インディケーター、指標)やManagement Score(マネジメントスコア)、評価変化の要因を確認することで、どこに実態面の課題があり、どこに開示面の課題があるのかを整理しやすくなります。
この優先順位づけという観点からも、アクティブ投資家との対話は有益です。水野氏は、特定のESG指数への採用を目指す企業にとっても、アクティブ投資家との対話は遠回りではないと指摘しました。投資家が評価をどのように読み解き、どの論点を重視しているかを把握することは、対応の優先順位や説明すべき内容を見極め、評価対応を本質的なものにする近道になり得ます。
4.比較可能性と「自社ならではのマテリアリティ」を両立させる
Sustainalyticsは、産業ごとに共通する重要なESG課題を設定し、同業種間、場合によっては異業種間で企業を比較できるようにしています。
一方、企業が自社の事業特性や経営戦略を踏まえて特定したマテリアリティと、評価機関が重要と考える課題には、ズレが生じることがあります。
荻野氏は、このズレ自体はむしろ重要だと説明しました。自社のマテリアリティを真剣に検討した結果として、企業固有の重要課題が明確になることには意義があります。
水野氏も、事業特性と経営戦略に合致し、企業が意思を持って優先順位をつけた「本気のマテリアリティ」は、投資家から高く評価され得ると述べました。
ただし、投資家が多くの企業を分析するには、一定の比較可能性も必要です。
したがって、企業には、評価機関が提示する共通のESG課題への対応と、自社独自のマテリアリティに基づく戦略の両方を説明することが求められます。
水野氏は、評価機関によるESG評価では、比較可能性が投資家にとっての使いやすさを支える一方、企業固有のこだわりや強みは、最終的な投資判断の段階で、財務・非財務を統合した総合判断に反映されると説明しました。
まとめ――スコアを「答え」ではなく「問い」として活用する
今回のセミナーから、Sustainalytics ESG Risk Ratingsは、ESG指数への採用確認だけに使われるものではないことが分かります。
水野氏は、ESGインデックスを、投資家がESG評価を考慮して保有したい企業群を一定のルールで表したものと捉えています。したがって、企業には採用ルールだけを追うのではなく、自社が外部からどのようなESGリスクを持つ企業と見られ、どの論点が重視されているのかを理解することが求められます。それが、指数対応と投資家との対話の双方につながると説明しました。
機関投資家は、主に次の3つの場面で評価を活用しています。
- 投資対象の除外や追加承認など、投資のルール・制約
- 社内ESG評価や企業分析のインプット
- 企業とのエンゲージメントや総合的な投資判断
企業にとって重要なのは、総合スコアの高低だけを見て一喜一憂することではありません。なぜその評価になったのか、どのESG課題がリスクとして認識されているのか、企業の実態と開示のどちらに課題があるのかを確認する必要があります。
また、水野氏は、Sustainalyticsの評価について、「スコアは答えではなく、問いを立てるための材料」と表現しました。企業が取り組むべきなのは、評価項目を形式的に埋めることではなく、評価から示された問いを自社の経営や事業に引き寄せて考えることです。
こうした議論を踏まえると、企業側の実務対応としては、例えば次のような観点を確認することが有効です。
- 評価結果を個別課題やIndicatorのレベルまで分析する
- 評価機関の認識と企業実態のギャップを確認する
- 自社のマテリアリティに基づいて対応の優先順位を決める
- 方針だけでなく、体制、目標、施策、実績、意思決定への反映を開示する
- 評価結果を投資家とのエンゲージメントに活用する
評価への対応を、点数を上げるための作業だけで終わらせず、会社をより良くする「学びのプロセス」に変えていくことが重要です。目先のスコアや短期的な数字だけでなく、自社にとっての「北極星」となる本当に大切なものを見定め、自社のESGリスクとマテリアリティを見直し、戦略に織り込みながら企業価値の向上につなげる機会として活用することが求められます。
登壇者の紹介
水野 政紀 氏
責任投資推進室 プリンシパル 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
約25年に渡り、国内外のエクイティ投資事業での経験を有する。2014年の所謂ダブル・コード以前から、資本コストやサステナビリティを意識した経営による企業価値向上に資するエンゲージメント活動に注力してきた。国内外のサステナビリティ関連規制動向への対応等の全社レベルでの態勢整備から、グローバルな運用実務でのインプリメンテーションまで、幅広く関与している。
■ 三井住友DSアセットマネジメント株式会社
伝統資産からオルタナティブまで多様な資産を運用する資産運用会社。高品質なアクティブ運用商品の提供を目指して、日本のみならずグローバルなリサーチ基盤を構築している。
荻野 聡美 氏
サステイナリティクス部日本統括 兼 ESGプロダクトスペシャリスト モーニングスター・ジャパン株式会社
2022年より同社。日本含むアジア太平洋地域の機関投資家・金融機関向けに、サステナビリティ市場、規制動向の発信、及び関連するサステナビリティデータを活用したソリューション提案や、カスタマー・サクセス業務に従事。同社入社前は、日系・外資系金融機関にて、事業会社・金融機関向け各種ファイナンス案件に携わる。
■ Morningstar Sustainalytics(モーニングスター・サステイナリティクス)
Morningstar, Inc.のグループ会社であり、ESGリサーチおよび格付けの分野で世界的に高い評価を得ているESGデータプロバイダー。世界中の機関投資家やアセットマネージャーに対し、ESGリスク評価、企業調査、サステナビリティ分析などのサービスを提供する。
及川 謙 氏
代表取締役CEO 株式会社 イースクエア
2005年2月にイースクエア入社。カーボンオフセット事業、中小企業の途上国進出支援事業、ESG取り組み・開示支援の立ち上げを行い、現在は、ESG取り組み・開示支援事業の責任者として、多岐の業種にわたる大手企業に対するコンサルティングを行う。
■ 株式会社イースクエア
2000年設立。日本企業に対するサステナビリティ戦略立案、ESG経営支援のパイオニアとして、上場企業へのアドバイザリーを提供する。中でも企業の情報開示支援の一環として、FTSE、MSCI、Sustainalytics等のESG格付機関に関する対応支援実績を多数有する。
※本記事は、セミナーでの講演および対談内容を基に、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。記事中の発言には登壇者個人の見解が含まれており、所属組織の公式見解、投資方針、個別商品の運用方針等を示すものではありません。また、本記事は特定の有価証券、金融商品、投資手法等の推奨、投資勧誘または投資助言を目的とするものではなく、将来の投資成果、企業価値、ESG評価その他の結果を保証するものでもありません。
イースクエアにおけるESG評価改善支援(FTSE、MSCI、Sustainalytics)
イースクエアでは、FTSE、Sustainalytics、MSCIといった主要評価機関に対応したESG評価改善支援を個別の評価機関ならびに統合的な観点からも実施しています。評価機関ごとの評価思想や指標の違いを踏まえた分析を行い、企業ごとの状況に応じた改善策を提案しています。ESG戦略の整理から情報開示の改善まで、一貫した支援が可能です。 詳しくは、イースクエアのFTSE・MSCI・Sustainalyticsに対応した「ESG評価改善支援サービス」をご覧ください。
詳しくは以下のページをご参照ください。
- ESG評価機関対応/スコア改善支援
- Sustainalytics評価改善支援
- FTSE ESG Scores/Ratings評価スコア改善 & Index組み入れ支援
- MSCI ESG Ratings格付け改善支援

