• サステナビリティニュース
S&Pグローバル、2026年のサステナビリティ・トレンド、トップ10を公表

【公開日】 【最終更新日】



2026年1月14日


米金融サービス大手のS&Pグローバルは1月14日、「2026年に注目すべきサステナビリティ・トレンド トップ10(仮訳)(Top 10 Sustainability Trends to Watch in 2026)」を公表した。地域差が拡大する分断的な国際環境の中で、企業はサステナビリティ対応において、より実務的でリスク回避的な姿勢を強めると分析している。

10のトレンドは以下である。

1. 地政学と多国間主義:主要国が気候・貿易・エネルギーで異なる優先事項を追求する中、対応は地域ごとに分断が進み、多国間協力や越境投資の前提が見直されている。

2. 気候変動とレジリエンス:気候適応やレジリエンス、インフラ投資への関心が高まる。極端気象に脆弱で投資が不足する分野では、運営・財務両面のリスクが増大する。

3. エネルギー移行:電力需要増、電化、送電網制約により、エネルギー安全保障と脱炭素の両立の難易度は高まっている。EUの炭素国境調整メカニズムは貿易を複雑化させるとともに、国際的な議論を活発化させている。

4. AI・データセンター:AIを支えるためのデータセンターの急速な拡大により、水資源への負荷が高まるとともに、排出量、地域インフラへの影響、運営面での持続可能性に対する新たな監視や関心が強まっている。

5. 水と食料システム:水不足、異常気象、生態系への負荷の深刻化により、サプライチェーンや食料システム全体で水に関連する事業リスクが高まっている。これを受けて、水資源の適切な管理(ウォータースチュワードシップ)や情報開示に対する要請が一段と強まっている。

6. サプライチェーン:貿易保護主義の強まりや政策の不確実性により、持続可能な調達やデューデリジェンスは一層複雑化している。一方で、気候変動による混乱が続く中、レジリエンス強化や事業継続計画は引き続き最重要課題として位置づけられている。

7. 生物多様性・自然損失:新たな規制や投資家の期待の高まりを背景に、森林破壊、生態系への依存関係、自然関連の情報開示に対する関心が強まっている。これにより、自然に関連するリスクは、財務面でも一層重要性を増している。

8. 基準・報告・規制:一部の国・地域ではサステナビリティ関連規則の簡素化が進む一方、他の国・地域では国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の基準に整合した情報開示へと移行が進んでおり、企業は多様で断片的な報告要請への対応を迫られている。

9. サステナブル・ファイナンス:気候変動対策および開発分野における資金需要と、実際に供給されている資本との間には、依然として大きな隔たりが存在している。一方で、2025年に伸び悩んだサステナブル債市場を経て、2026年にはトランジション・ファイナンスが本格的に拡大する機会が生まれる可能性がある。

10. 高齢化と労働力:2026年には、世界的な高齢化と労働市場の交差が重要な課題となる見通しである。AIやその他の自動化技術による生産性向上が見込まれるものの、労働市場から退出する大量の世代を十分に補うには至らない可能性が高い。

芝原 亜季
この記事の監修者
芝原 亜季記事一覧
イースクエアCompass for Sustainability担当。
政府系金融機関での国際協力業務の経験を経て、英国ノッティンガム大学大学院でMBA in Corporate Social Responsibilityの 修士号を日本人第一号として取得。2008年にイースクエアに参画。CSR・サステナビリティ支援事業に従事し、企業の戦略策定・実行支援、リサーチ分析などに携わる。現在は、会員制サイトであるCompass for Sustainabilityを統括し、国内外の情報とサステナビリティ推進支援の知見と経験を活かしたコンテンツ開発に取り組んでいる。

RELATED COLUMNS
合わせて読みたい

サービス資料やお役立ち資料を
無料配信中
サービスやお見積もりなど
お気軽にお問い合わせください
メールマガジン登録
サステナビリティ関連の最新情報はもちろん、
最新セミナー情報など皆様の業務に役立つメールマガジンをお届けしています。