米国の環境NGO、Rainforest Action Network(RAN)は、世界で最も影響力のある消費財企業10社を対象に、サプライチェーンにおける森林破壊や人権侵害の撲滅に向けた進捗状況を評価した「キープ・フォレスト・スタンディング:森林&人権方針ランキング2025」を発表した。日本企業では花王と日清食品が対象となった。
各社の方針と実施について、「森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止」(NDPE: No Deforestation, Peat, nor Exploitation)方針、人権保護、サプライチェーンの透明性などの12項目を24点満点でスコア化している。サプライヤーを含めた企業グループ全体でNDPE要件を適用しているのは10社中わずか3社で、そのうち2社は多くの商品サプライチェーンを除外していた。その他の企業はNDPEを完全に除外しており、NDPE方針への関与の不徹底が露呈した。
花王は、パーム油やパルプ・紙のサプライチェーンにおける森林破壊や土地転換ゼロの実施計画公表が評価され、昨年よりスコアが上昇し、D+(10点、同点3位)となった。NDPE方針が第三者サプライヤーとその企業グループにも適用されていることが評価された。しかしながら、認証や自己宣言に大きく依存しており、権利に基づく方針のコミットメントにはスケジュールが含まれていなかった点が指摘されている。
日清食品は、人権擁護活動家に対する脅迫や暴力を一切容認しないという公約を表明した。しかし、改定されたサプライヤー行動規範には、企業グループ全体の適用がなされておらず、高炭素貯蔵(HCS)森林、保護価値の高い(HCV)地域、泥炭地の保護といったNDPEの中核要素の記載が不明瞭とされている。また、サプライヤーへのNDPE方針の導入を義務付けていない。総合スコアは昨年から上昇したものの、D−(6点、同点7位)にとどまった。
10社のトップはユニリーバで、スコアはC+(24点満点中16点)だった。
企業は方針を掲げるだけでは不十分であり、実績こそを新たな基準とすべきだ、とRANは指摘している。


