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WBCSD、サステナビリティ報告の最新動向を調査した最新レポートを発表

【公開日】 【最終更新日】



2025年11月 4日


持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、2025年版「Reporting Matters」を発行した。サステナビリティに関する調査分析など行っているラドリー・イェルダー(Radley Yeldar)と共同で作成した「報告の重要性2025:変革を根付かせ、インパクトを加速させる(仮訳)(Reporting Matters 2025: Embedding change, accelerating impact)」を発表した。企業がコンプライアンスを超えて、サステナビリティ報告を変革の戦略的手段として活用するための示唆を示した。185社のサステナビリティ報告の分析に基づき、その動向の主要ポイントを整理している。

レポートによると、分析対象のサステナビリティ報告は、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)などの義務化された枠組みへの整合が進む一方、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)やSASB(サステナビリティ会計基準審議会)など任意枠組みに沿った開示は減少し、規制対応に移行する動きが顕著となっているという。また、財務情報と非財務情報を統合した報告への移行が加速しており、情報開示に関する規制要件の拡大がその背景にあるとみられている。さらに、CSRDの対象外となる企業においてもダブルマテリアリティを先進的な慣行として取り入れる動きが広がっており、分析対象の83%がダブルマテリアリティ・アセスメントを開示した。

サステナビリティが企業戦略に組み込まれる一方で、実務面では依然として遅れが見られ、その志しと実装とのギャップが指摘されている。さらに、組織全体へのサステナビリティ浸透に向けて、ガバナンスの重要性が示されている。

レポートは、戦略的に取り組むことで、サステナビリティ情報開示はコストではなく、リスク管理、価値創造、企業変革を促す不可欠な手段となると強調している。

芝原 亜季
この記事の監修者
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イースクエアCompass for Sustainability担当。
政府系金融機関での国際協力業務の経験を経て、英国ノッティンガム大学大学院でMBA in Corporate Social Responsibilityの 修士号を日本人第一号として取得。2008年にイースクエアに参画。CSR・サステナビリティ支援事業に従事し、企業の戦略策定・実行支援、リサーチ分析などに携わる。現在は、会員制サイトであるCompass for Sustainabilityを統括し、国内外の情報とサステナビリティ推進支援の知見と経験を活かしたコンテンツ開発に取り組んでいる。

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