2023年2月 1日

国際NGOのグローバル・ウィットネス(Global Witness)は、エネルギー大手のシェル(Shell)が再生可能エネルギーへの投資額についてグリーンウォッシュを行っているとして米国証券取引委員会(SEC)に提訴した。

グローバル・ウィットネスによると、シェルは2021年の総支出197億米ドルのうち、「再生可能エネルギーおよびエネルギーソリューション」への投資として24億米ドルを拠出しているが、風力発電・太陽光発電に向けられたのは2億8,800万米ドルであり、総支出のわずか1.5%にとどまるという。

また、グローバル・ウィットネスの分析により、シェルが再生可能エネルギーと称する支出には、総合電力、ガス販売・取引、水素、炭素回収・貯留など、化石燃料が多く使用されていることも判明。「再生可能エネルギーおよびエネルギーソリューション」の一部に化石燃料を含めることによってエネルギー転換への取り組みを誇張し人々を欺くことはグリーンウォッシュに当たるとして、SECに対し調査を要請している。

グローバル・ウィットネスのシニアアドバイザーであるゾルカ・ミリン(Zorka Milin)氏は次のように述べた。「シェルのビジネスモデルは、これまでも、そしてこれからも、気候を汚染する化石燃料に圧倒的なベースを置いている。気候変動対策はマーケティング部門で夢想されるものではなく、企業全体の具体的な活動を支えるものでなければならない。我々は、米国当局がシェルの責任を追及し、他の化石燃料企業が同様のグリーンウォッシュに関与しないよう、前例を作ることを求める」