2019年3月 7日

欧州議会とEU加盟各国は、サステナブル投資に関する新たな情報開示ルールについて政治的合意に達した。金融市場参加者や投資顧問会社がESGのリスクと機会を考慮することを義務づけるとともに、投資家に対するESGのリスクと機会の統合に関する情報開示について共通したルールを定めるもの。

今回合意した情報開示ルールは、「サステナブル・ファイナンスのためのアクションプラン」と資本市場同盟(CMU:Capital Markets Union)構想に基づき、2018年5月に欧州委員会より提案されていた法的措置のパッケージの一部で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の目標にも沿った形になっている。投資のサステナビリティを確保するため、水の汚染や生物多様性の破壊といったESG課題に対する資産上の負のインパクトについても情報開示を求めている。新たなルールは、以下3つの柱によって構成されている。

1) グリーン・ウォッシュの排除:根拠のない、もしくは誤解を招くようなサステナビリティに関する特徴を掲げた投資商品を排除する。
2) 規制の中立性:異なる金融市場においても、同様の情報開示ツールが提供されるようにする。今後、欧州監督当局(ESAs:European Supervisory Authorities)の3機関が全関連セクターの情報開示の収斂と調和について協議を進める。
3) 公平な条件:各金融サービスセクター(投資ファンド、生命保険型投資商品、個人・企業年金、個人資産運用管理、保険アドアイス・投資顧問)に共通のルールを適用する。

欧州委員会は現在、先の2018年5月に提案した法的措置のパッケージの一部である、サステナブルな経済活動に関するEU統一の分類システム(タクソノミ)についても合意を目指している。