2017年7月 3日

世界約390の主要な機関投資家らによるグループが、G20諸国のリーダーに対しパリ協定の合意に沿った行動を促進するよう書簡を送った。その資産運用総額は約22兆ドル(約2,500兆円)に上る。

G20諸国の気候変動問題に対する早急な取り組みや行動が十分ではないとして、同書簡には以下の内容が示されている。
・各国による全ての削減目標の達成を含め、パリ協定の実行に対する支援とコミットメントを再度強調すること
・世界の平均気温上昇を2度以下または1.5度以下に抑えるための長期かつ前向きな気候とエネルギーの計画を導入すること
・低炭素への移行に向けた投資を促進すること
・気候関連財務報告フレームワークなどを実行すること

気候リスクとサステナビリティに関する投資家ネットワークを主導するセリーズ CEOのラバー氏は「今日、世界の投資家はG20各国、特に米国に対し、気候変動に対する行動が緊急なプライオリティであるという強烈なシグナルを発した。世界の投資家は低炭素の未来に対して財布を開きたがっているが、それには世界各国による明確で安定した政策がなくてはならない。特にパリ協定から離脱を表明した米国は大きな問題である」と述べている。

投資家主導の今回の動きは、確固とした気候変動政策や行動の促進を求める投資家や民間セクターへの政府の対応を促す目的で開始されたものである。当初は200余の投資家がG7に向けたものであったが、最終的に390の機関投資家によるG20各国に向けた動きにまで拡大した。こうした拡大の動きは、ビジネスや投資家が、気候変動の商業的な実現可能性と向き合う方向へ進み始めていることが映し出されている。