2018年6月 4日

カナダでのG7サミット開催中、288の機関投資家からなる団体(総運用資産残高26兆米ドル)が共同声明を発表した。声明の中で、低炭素社会へのシフトを念頭においた投資をあらゆるレベルで継続させ、気候変動シナリオや気候変動に係るリスクマネジメントを投資プロセスにますます取り込んでいくとした。その上で、国連とG7の政府に対しては行動を加速するように要求、現状のままでは2℃目標達成に届かないと警鐘を鳴らし、特に下記3点について政府がもっと危機感を持って対応すべきだと主張した。

1. パリ協定の目標達成
2. 低炭素社会実現に向け、民間投資を加速させること
3. 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)勧告に適合した気候変動関連の財務情報開示の促進と報告状況の改善

この共同声明を主導したのは気候変動対応のためアジア太平洋地域の金融機関や投資家で構成されたAIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)、IGCC(Investor Group on Climate Change)、IIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)、CDP、セリーズ、PRI、そしてUNEP FIである。この共同声明には米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、スウェーデン公的年金基金等、世界の主だった機関投資家をはじめとする288の機関が署名しているが、日本からは三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ国際投信、野村アセットマネジメント、Sophia School Corporation(上智大学の運営母体)の5つの組織が参画している。