2020年7月22日

英国のコミュニティ利益会社(CIC: Community Interest Company)であるシンクタンク、Emberは、欧州における2020年上半期(1-6月)の再生可能エネルギーによる発電量が、初めて化石燃料の発電量を上回ったと発表した。

報告書によれば、2025年の上半期に欧州連合(EU)27カ国において、風力、太陽光、水力、バイオエネルギーといった再生可能エネルギーの発電が発電量全体の40%となり、はじめて化石燃料の34%を越えた。

また、欧州の再生可能エネルギー発電は前年同期比11%増加した。特に風力と太陽光だけで欧州の全発電の21%を記録した。ただ、電力の供給過剰により、市場で電力がマイナスの価格で取引されるネガティブプライスが発生していることについて対処が必要であると指摘する。

化石燃料による発電は、再生可能エネルギー発電の成長と、新型コロナの影響で電力需要が7%減少したことにより、前年同期比18%減少した。天然ガスの発電も6%減り、EU27カ国の電力セクターのCO2排出は23%減少した。

一方、RE100に参加するデンマーク製薬大手ノボノルディスクは、世界の全製造施設の電力使用において、再生可能エネルギーのみを使用するという野心的な目標を達成した。今後は、2030年までに、すべての事業活動と輸送におけるCO2排出をゼロにすることを目標とする。環境インパクトをゼロにする循環型の自社事業に加え、サプライチェーンと製品も循環型にすることを目指す。