グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は、大気汚染、土壌汚染、騒音、光害、悪臭、重大事故を対象とする新たな報告基準を策定中であることを公表した。汚染に関するこれらの課題は、従来のサステナビリティ報告では十分に考慮されてきていなかったとして、新基準において開示範囲を拡大することにより、汚染関連の影響をより適切に測定し、汚染に関する透明性の向上を目指す。
世界保健機関(WHO)の推計では、屋外大気汚染が原因で、年間420万人が健康影響による早期の死亡に至っている。また、土壌汚染は食料安全保障や生態系サービスを脅かしており、騒音や光害は見過ごされがちだが、睡眠障害、循環器疾患、体内時計の乱れ、幸福感の低下など、社会的な影響と関連していることが指摘されている。
GRIによる汚染に関する新基準の策定プロジェクトは、グローバル・サステナビリティ基準審議会(GSSB)からの委託を受け以下のGRI開示事項をもとに、より包括的に取り組むための新たな要件を提示する予定。
GRI 305-6:オゾン層破壊物質(ODS)の排出量
GRI 305-7:窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、およびその他の重大な大気排出物
GRI 306-3:重大な流出事故
基準の草案に対するパブリックコメントは2026年初頭に募集され、2027年半ばにこの新たなGRI汚染基準が公表される予定となっている。

