2007.04.02
ピーター・D・ピーダーセン
氷河の島、グリーンランドにて
先週より、デンマーク領グリーンランドに来ています。
ここイルリサットの氷河は後退を続け、6-7年で15キロメートル内陸側に引いていきました。
氷は、夏の半年間に従来の2倍ほどの速度で溶けているということです。
ヘリコプターで氷河の上を飛行し(添付の写真)、そして船でその氷河が生み出す無数の氷山の間を「航海」してきました。
(7時間ほどその間を、なんとか抜けていく道を求めながら進んでいく、それなりにスリリングな旅です)
正直言って、初めてみると巨大な氷河にしかみえず、自然の圧倒的なスケールを第一に感じます。後退しているのかどうかは、時間の経過がないと自分の目で確認することはできず、実感がわきません。現地の人もほとんど危機感がないことに驚きました。「海に出やすくなった」とか「アザラシが以前より近くまでくるようになった」などといったコメントが多く聞かれました。
デンマークでもいろいろな人と話をしました。
「環境先進国」とされている国ですが、それでも大した危機感もなければ、特別に「エコロジカル」なライフスタイルをいつも送っているわけでもありません。有機食品もここ数年は停滞していて、まだ全体の5.7%という数字が新聞にありました。
BBCのラジオ放送チームと船で会いました。そのメンバーの一人、放送作家のMarkさんは言いました:
「恐竜は4億年間生きていましたが、結局は絶滅しました。人間はまだ50万年強の歴史です。人間にだけがずっと生き残る特権を持っていると私は思えません」
それに対して、同じBBCのコメンテーターで参加していた、野生動物の世界的権威、Cliff Jonesさんは言いました:
「しかし、人間と動物に一つだけ違いがあるとすれば、それは知性です。人間は変化について考え、行動を主体的にとることができます」
その知性を活かせるかどうかが問われている時代に、私たちは生きています。
そして、イースクエアとしてはほんの少しでもよいから、様々な形で「新しい知性」を与えること、共有することができれば、私たちの日々の仕事に大いに意味があり、グリーンランドの大自然とつながるものがあるのだと改めて思いました。
帰国後、また新たな視点とエネルギーをもって、仕事に取り組んでいきたいと思います。